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条文:素行が善良であること
素行が善良であるかどうかは、犯罪歴の有無・態様、納税状況、社会への迷惑の有無等を総合的に考慮し、社会通念に照らして判断されます。
<一般個人(会社員等・事業主)の場合>
1.納税義務を果たしているか(本人・配偶者で確認)
税金の滞納がある状態で、帰化申請を行うことはできません。
以下の表の通り、納税証明書等の書類を提出する必要があります。
給与所得者・確定申告なし | 給与所得者・確定申告あり | 個人事業経営者 | |
源泉徴収票 | 〇 (前年分) | 〇 (前年分) | ー |
都道府県・市区町村民税の 課税証明書 | 〇 (注1) | 〇 (注1) | 〇 (注1) |
都道府県・市区町村民税の 納税証明書 | 〇 (注2) | 〇 (注2) | 〇 (注2) |
所得税の納税証明書 (その1・その2) | ー | 〇 (前3年分) | 〇 (前3年分) |
所得税の確定申告書の写し | ー | 〇 (前年分) | 〇 (前年分) |
消費税の納税証明書(前々年の課税 売上高1千万円以上) | ー | ー | 〇 (前3年分) |
事業税の納税証明書 (事業所得 290万円以上) | ー | ー | 〇 (前3年分) |
源泉徴収所得税の納付書兼 領収済通知書の写し(従業員 を雇用している場合) | ー | ー | 〇 (前年分) |
(注1)
・申請が1~5月の場合:前年度(例:令和6年5月申請→令和5年度分)
・申請が6~12月の場合:当年度(例:令和6年6月申請→令和6年度分)
(注2)
・申請が1~5月の場合:前々年度(例:令和6年5月申請→令和4年度分)
・申請が6~12月の場合:前年度(例:令和6年6月申請→令和5年度分)
2.年金に加入していて、きちんと納付しているか
■年金に加入していることは必須。未加入の場合は必ず加入し、年金保険料を最低でも1年分(2年分が望ましい)納付の上で、帰化申請する必要があります。
※会社員で厚生年金加入者(2号被保険者)は、基本的に未納の問題はないはず。しかし、
・自分は会社員だが、会社が厚生年金に加入していない
・自分は個人事業主である
等の場合は、国民年金に加入する必要があります。加入の際は、年金事務所に相談の上で加入すること。
■上記の通り、厚生年金加入者(2号被保険者)は問題ないが、国民年金加入者は、国民年金保険料に過去の未納がある場合は、過去2年間に遡って、未納分を納付することが必要です(1ヶ月分でも未納があってはダメ、最大で2年分ということになる)。
※国民年金保険料は、納付期限(納付対象月の翌月末日)から2年を経過した場合、時効によって納付することができなくなる(「払いたくても払えない」という状態になるので注意)。
■過去に適法に免除を受けていた場合も、帰化申請の際には、その免除分を遡って納付する必要があります。
※最大で10年分(10年免除の場合)。
■学生時代に、「学生納付特例制度」を利用し、年金保険料の納付が猶予(免除ではない)されていた期間があっても、それは問題になりません。
■年金に関わる必要書類
・ねんきん定期便の写し
・年金保険料納付領収書の写し
・(ねんきんネットや年金事務所で取得した)被保険者記録照会回答票
3.犯罪歴等=交通違反を繰り返していないか
大前提:交通違反の許容範囲について、法務省は何も示していません。
一般には、
・過去直近5年間で軽微な違反が5回以内
・過去直近2年間で軽微な違反が2回以内
であれば問題ないと言われています。
■軽微な違反とは
・駐停車違反(違反点数1~3点)
・信号無視(違反点数2点)
・携帯電話使用等(保持)(違反点数3点)
・速度超過(25km以上30km(高速道で40km)未満)(違反点数3点)
・速度超過(20km以上25未満)(違反点数2点)
・速度超過(20未満)(違反点数1点)
・整備不良車両の運転(違反点数1~2点) など
■但し、軽微な違反でも、過去3年以内の違反点数の累積が6点に達すると、30日間の免許停止処分となります。そうなると、その後5年間は帰化申請が出来なくなります。つまり違反の回数だけでなく、違反点数の総計にも注意が必要です。
■重大な違反とは
・無免許運転(違反点数25点)
・酒気帯び運転(0.25mg以上:違反点数25点)
・酒気帯び運転(0.25mg未満:違反点数13点)
・速度超過(30km(高速道40km)以上:違反点数6点)
・携帯電話使用等(交通の危機)(違反点数6点)
■重大な違反の場合は、直ちに免許停止処分となるので、違反の回数どころの話ではなく、5年間は帰化申請は出来なくなります。
■帰化申請の際は、運転記録証明書(5年間)が必要になります。警察署、交番、駐在所、及び自動車安全運転センター事務所に備え付けてある申込用紙(郵便局の払込取扱票・都道府県によって異なります)を取得して、手数料(670円)を添えて最寄りのゆうちょ銀行・郵便局から申し込みします。おおよそ2週間で自宅に届きます。
■過去直近2年間で1~2回の違反(点数累計5点以内)であれば、そのまま帰化申請しても問題ないかと思われますが、違反回数が3回以上の場合は、運転記録証明書から違反の記載が消えるまで(最大で5年間)待ってから申請した方がよいと思われます。