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帰化の要件は国籍法第5条~第8条で定められています


※第9条の「大帰化」は過去に実例がないため、ここでは省略させていただきます。

<第5条(普通帰化)>
1.引き続き五年以上日本に住所を有すること
2.十八歳以上で本国法によって行為能力を有すること
3.素行が善良であること
4.自己又は生計を一にする配偶者その他の親族の資産又は技能によって生計を営むことができること
5.国籍を有せず、又は日本の国籍の取得によってその国籍を失うべきこと
6.日本国憲法施行の日以後において、日本国憲法又はその下に成立した政府を暴力で破壊することを企て、若しくは主張し、又はこれを企て、若しくは主張する政党その他の団体を結成し、若しくはこれに加入したことがないこと

<第6条(簡易帰化)>
1.日本国民であった者の子(養子を除く。)で引き続き三年以上日本に住所又は居所を有するもの
2.日本で生まれた者で引き続き三年以上日本に住所若しくは居所を有し、又はその父若しくは母(養父母を除く。)が日本で生まれたもの
3.引き続き十年以上日本に居所を有する者

<第7条(特別帰化)>
1.日本国民の配偶者たる外国人で引き続き三年以上日本に住所又は居所を有し、かつ、現に日本に住所を有するもの
2.日本国民の配偶者たる外国人婚姻の日から三年を経過し、かつ、引き続き一年以上日本に住所を有するもの

<第8条(特別帰化)>
1.日本国民の子(養子を除く。)で日本に住所を有するもの
2.日本国民の養子で引き続き一年以上日本に住所を有し、かつ、縁組の時本国法により未成年であったもの
3.日本の国籍を失った者(日本に帰化した後日本の国籍を失った者を除く。)で 日本住所を有するもの
4.日本で生まれ、かつ、出生の時から国籍を有しない者でその時から引き続き三年以上日本に住所を有するもの

上記条文を読めば分かることですが、一部のケースを除き、帰化の要件を満たすためには、日本に一定期間居住していることが基本的に必要であり、つまり、帰化を申請する時点において、申請者は何らかの「在留資格」を有して日本に居住している、ということになります。



日本における在留資格(一般にビザと呼ばれます・29あります)


<就労系の在留資格(19)>
■「外交」「公用」「教授」「芸術」「宗教」「報道」
■「高度専門職」「経営・管理」「法律・会計業務」「医療」「研究」「教育」
「技術・人文知識・国際業務」「企業内転勤」「介護」「興行」
「技能」「特定技能」「技能実習」

<非就労系の在留資格(6)>
■「文化活動」「短期滞在」
■「留学」「研修」「家族滞在」「特定活動」

<身分系の在留資格(4)>
■「永住者」「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」「定住者」



帰化要件の緩和につながる在留資格


1.国籍法第7条の条文からすれば、「日本人の配偶者等」ビザは、帰化要件を緩和する、帰化との関係が深い在留資格です。「日本人の配偶者等」ビザは帰化要件の緩和以外にも、「永住者」へのハードルが低くなるなど、いわゆる「お宝」の在留資格とも呼ばれます。

2.「日本人の配偶者等」ビザは、「お宝」がゆえに、その「お宝」を得たいという意図で、金銭を支払う等により実態のない婚姻を成立させ、「日本人の配偶者等」ビザを得ようとする者が出てくるなどの問題があります(偽装の国際結婚)

3.しかし当然ながら、真に愛し合い国際結婚に至るカップルもたくさん存在することは言うまでもありません。そして「日本人の配偶者等」を経由して、少しでも早く日本国籍を取得したいと考える外国人がいたとしても、カップルが本当に愛し合い、二人の婚姻関係が法律的にも、実態的にも有効なのであれば、全く問題のない話です。

4.私たち行政書士は、国際結婚のカップルを全面的に応援しつつ、しかし「偽装」を見極める洞察力も必要になってくると考えます。


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