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国籍法第7条の条文を読み解く
<国籍法第7条>
1.日本国民の配偶者たる外国人で引き続き三年以上日本に住所又は居所を有し、かつ、現に日本に住所を有するもの
2.日本国民の配偶者たる外国人で婚姻の日から三年を経過し、かつ、引き続き一年以上日本に住所を有するもの
国籍法第7条は「簡易帰化要件」「特別帰化要件」とも呼ばれるものですが、要するに国籍法第5条で定められる「普通帰化要件」について、在留資格「日本人の配偶者等」を有する人はその要件を緩和するというものです。
在留資格(ビザ):「日本人の配偶者等」
1.「日本人の配偶者等」ビザ
⑴在留期間
5年、3年、1年又は6月
⑵日本人の配偶者とは
■現に婚姻関係中である者、その婚姻が法的に有効(※)であること
※外国法で婚姻が成立していても、日本法で有効な婚姻と認められない場合は「日本人の配偶者」ビザは付与(認定)されない (例:同性婚)
■内縁の配偶者は含まれない
→どんなに長く一緒に暮らしていても
→子供がいても
■相手方の配偶者と死別・離婚した者は含まれない(「日本人の配偶者等」ビザの更新ができない)
■離婚した者は含まれない
⑶等=日本人の実子・特別養子
⑷法的に有効な婚姻というだけでは許可されない
・平成14年10月17日最高裁判所判決において、「日本人の配偶者等ビザは、日本人との婚姻が法律上有効なものがあるだけでは足りず、真しな意思をもって共同生活を営むことを本質とする婚姻である必要がある。」との判例があります。
・また一方で、平成8年5月30日東京高等裁判所判決においては、「同居・協力関係になくても、外国人が日本人配偶者との婚姻関係を修復し得る可能性があるような場合には、婚姻関係が実体を失っているまでは認めることができず、日本人の配偶者等ビザの該当性を肯定するのが相当である。」との判例もあります。
2.「日本人の配偶者等」ビザの取得パターンは3つ(変更・更新・認定)
⑴日本で既に何らかの在留資格を有し、日本で暮らしている外国人の方が日本人と結婚する場合 → 在留資格(ビザ)の変更
例)「技術・人文知識・国際」(就労系ビザ)→「日本人の配偶者等」(身分系ビザ)
⑵既に「日本人の配偶者等」ビザを有し結婚生活を送ってきたが、「日本人の配偶者等」ビザの在留期間(最長で5年)の期限が迫っている場合 → 「日本人の配偶者等」ビザの更新
⑶日本人が外国から結婚相手を呼び寄せる場合 → 「日本人の配偶者等」ビザの認定
3.「日本人配偶者等」ビザの認定
⑴「日本人の配偶者等」ビザの認定手続きは、変更、更新に比べ、難易度が高いと言えます。
⑵認定手続きということは、「日本人の配偶者等」ビザを取得しようとする配偶者が、ビザ申請時点で何のビザも持っていないということであり、つまりは基本的にビザ申請時点で日本にいないということになるからです。
⑶認定手続きに必要な代表的な書類は以下のようなものになります。
■在留資格認定証明書交付申請書(顔写真を添付)
■配偶者(日本人)の方の戸籍謄本(全部事項証明書)
※ 申請人との婚姻事実の記載があるもの。婚姻事実の記載がない場合には、戸籍謄本に加え婚姻届出受理証明書の提出が必要。
■申請人の国籍国(外国)の機関から発行された結婚証明書
※ 申請人が韓国籍等で戸籍謄本が発行される場合には、お二方の婚姻が記載された外国機関発行の戸籍謄本の提出でも差し支えない。
■日本での滞在費用を証明する資料
※申請人の滞在費用を支弁する方の直近1年分の住民税の課税(又は非課税)証明書及び納税証明書(1年間の総所得及び納税状況が記載されたもの)
■配偶者(日本人)の身元保証書
■配偶者(日本人)の世帯全員の記載のある住民票の写し
■質問書
4.役所への婚姻届の提出
⑴「日本人の配偶者等」ビザの申請時点で、その申請者は日本人と婚姻している必要があります。
⑵しかし婚姻が先だと、その時点で相手の外国人には在留資格(ビザ)がなく、基本的に、日本にいないわけですから、つまり「日本人の配偶者等」の日本人側が日本での婚姻手続きする(婚姻届を役所に出す)ということになります。
⑶「日本人の配偶者等」ビザの申請要件は、外国法でも日本法でも婚姻が法的に有効でなければなりません。
⑷外国から結婚相手を日本に呼び寄せる場合、外国人の方の母国で先に結婚・婚姻手続きをしていることが、基本的に前提になります。
⑸国際結婚における、日本の役所への婚姻届の出し方は、役所によって手続き方法・提出書類等が違いますので、各役所に確認を要します。
⑹一般的な、外国籍の方との婚姻届の出し方については、以下の通りとなります。
■婚姻届は誰が書くのか → 日本人側が書くしかない(書かざるを得ない)
■婚姻届の添付書類(代表的なもの3点+それらの日本語訳)
①結婚要件具備証明書(原則、外国籍の方の日本にある各国大使館で発行されるが、結婚要件具備証明書を発行しない国もある)
②外国籍の方のパスポート(現物)
※日本人側で現物が準備できなければ、パスポートの表紙と顔写真のところをコピー、その余白部分に外国籍本人の方の署名が必要(これは役所による)
③(外国側の)結婚証明書
④これら添付書類の日本語翻訳文