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(この記事は最新情報である)
「上申書」とは
■一般的に「上申書」とは何なのか。「上申」の意味を、国語辞典などで調べてみると、「上役、上官、支配者などに意見や事情を申し上げること」、というふうに書いてあります。
■つまり、その漢字の通り、「上」に「申し上げる」ということになります。そして「申し上げる」というのは、つまり「説明する」ということです。
■帰化申請で「上申書」といえば、その「上」は「法務大臣」ということになります。
■つまり、「上申書」は帰化許可権者である「法務大臣」に対して、「意見や事情を申し上げる=説明する」書類ということになります。
■帰化というのは、国籍法でその許可要件が定められ、そして国籍法には書いていませんが、法務局(法務省)の運用上のルールがあって、それらによって、帰化の審査がなされ、最終的に法務大臣が帰化許可を決定するということになります。
■ですから、「上申書」では、これらの帰化許可のルールを「満たさない」とパッと見、判断されかねない状態について、「いや、満たしているのでご理解ください」という合理的説明を、あえて行うというものになります。
■では、具体的に、どういうときに、「上申書」が必要になるのか。当然ながら「上申書」を出せばそれでいいというものではありません。
■「上申書」の説明が、ちゃんと合理的な説明になっているか。あるいは、逆に、余計なことを説明して、法務局(法務省)の心証を悪くするということもあり得ます。
■「何についての説明なのか、問題点は何なのか」、そして「説明内容」。淡々と感情的にならず「上申書」を作成することが重要です。
■言い訳がましい書きぶりは、当然、よくありません。
「上申書」が必要になる具体例
■居住要件が疑われる場合
帰化の厳格化(5年→10年)の話は、ちょっと横におかせていただきます。
よくあるのは、「コロナで半年間、日本に戻れなかった」というパターン。
単純に会社出張で戻って来られなかったでは、説明は苦しいです。
戻って来られなくなることを予見できなかったのか、実際にどういう状況で日本に戻れなかったのか(PCR検査、都市封鎖とか)、こういったことをいかに説明できるか。
■過去の年金未納期間が長い
年金は、適法に特例猶予措置を受けていれば、過去10年はさかのぼって追納手続きができますが、単なる未納は時効により納付期限を2年以上過ぎたものは払いたくても払えないということになりますから、この過去の未納をどう説明するか。
■産前、産後、育児休業中(夫も)で、現在、育児休業給付金、児童手当しか収入がない
このケースは、現状の収入減少の状況においても生計が保たれていること、育児休業終了後の職場復帰で収入面が元に戻ることを、いかに説明できるか。
■本国書類が不足する場合
このケースは、帰化申請者の国籍にもよりますし、あるいは、それ自体は問題ではないのですが帰化申請者が二重国籍であるとか、はたまた、夫婦で同時帰化申請する場合で、夫婦の国籍が違う、日本で国際結婚したケースであるとか・・・。
本国書類が不足する場合は、それが不可抗力的なものであるのか、現状揃っている書類で「国籍関係」「出生・身分関係」が客観的に説明できるか。
■会社経営者の帰化申請で会社が赤字の場合
このケースは非常に説明が難しくなってきます。
しかし、一言で「赤字」といっても、いろいろなケースがあります。
今期は赤字でも来期は黒字に改善できるとか、赤字でもあっても、会社の純資産がプラス(債務超過でない)であり、少々の赤字でも、当面会社経営に全く問題がないとか、そういったことをいかに説明できるか。
(上記事例は、代表例であるものの、しかしほんの一例にすぎません)
「上申書」は専門家に相談を
■「上申書」はもちろん帰化申請者ご自身で作成・提出されても結構です。
■ただし、「上申書」が必要になるような案件は、そもそも難易度が高く、また「上申書」の書き方にもコツがありますので、やはり行政書士などの専門家にご相談されることをお勧めいたします。