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(この記事は最新情報である)
出生から最終学歴まで
■帰化許可申請書類の中に、履歴書(その1)がありますが、この記入・作成は大変です。
■東京法務局のHPで公開されている履歴書(その1)を見ると、以下の書式なのですが、1行目、出生から始まっています。

■1行目の「年月日」には出生した日、「居住関係」には出生した時の住所を書くということになりますが、ここからが、結構、書いていくのが大変なのです。
■下欄の(注)2に「例えば、学歴については、転校、中途退学、卒業の学部等についても記載し、・・・」と書いてあります。
■要するに小学校から大学卒業まで細かく書いていく、小学生のときに2回転校していたら、小学校の学歴だけで、入学→転校→転校→卒業と、4行を書くということになるわけです。
■このように、学歴を履歴書(その1)に時系列で書いていくわけですが、当然ながら、誰でも最後の学歴、最終学歴に辿り着きます。
■例えば、ネパール人Aさんが、ネパールの大学を卒業して、その後「留学」ビザで日本にやって来て、日本語学校に入学、そして卒業。その後「技術・人文知識・国際業務(技人国)」ビザに変更の上、日本の会社に就職。
■この人の最終学歴は、どうなるでしょうか。ネパールの大学でしょうか、それとも日本の日本語学校でしょうか。
最終学歴と卒業証書
■東京法務局のHPには、帰化許可申請書類に添付する「その他の書類」として、「最終学歴を証する書面」の提出を求めています。要するに「卒業証書」です。
■この「最終学歴の卒業証書」ですが、先ほどのネパール人Aさんだと、大学の卒業証書を出すのか、日本語学校の卒業証書を出すのか、どっちかなと迷ってしまいます。
■一方で、このように、来日後日本語学校に入学・卒業後に、すぐに就職しないで、あらためてビジネス専門学校に入学・卒業、その上で就職するという人(Bさん)もいるのではないでしょうか。
■時系列では、Aさんの場合は、最後に行った学校は日本語学校、Bさんの場合は、最後に行った学校は、ビジネス専門学校です。
■実は、日本語学校は原則、「最終学歴」とは認められません。
■日本の法律に、学校教育法というのがあって、日本の教育制度について定められたものなのですが、この法律によると、日本語学校は「学校」には含まれないと理解されています。
■よって、帰化申請においては、Aさんの場合はネパールの大学が最終学歴ということになります。
■そしてBさんの場合は、Bさんの最後に卒業したビジネス専門学校は、学校教育法上の「学校」であり、帰化申請においても最終学歴として認められます。
■Bさんは、最終学歴の卒業証書として、ビジネス専門学校の卒業証書を帰化申請で提出すればよいということになります。
■但し実務上は、Bさんの場合は、ビジネス専門学校の卒業証書を提出しつつ、ネパールの大学の卒業証書も提出すべきかと思います。
■帰化申請時点で、Bさんの帰化申請書類は、最終学歴の卒業証書としては、ビジネス専門学校の卒業証書でOKです。しかし、帰化申請受理後に、法務局から、ネパールの大学の卒業証書も出してくださいと言ってくる可能性があります。
■「えっ、ネパールの大学の卒業証書、なくしちゃった」という人は、「なくしちゃった」と法務局に言うのではなく、大学に頼んで、「卒業証明書」を改めて発行してもらうということを、きちんとやっていただくことをお勧めいたします。