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(この記事は最新情報である)
2019年5月末の「永住許可に関するガイドライン」の改定
■総務省統計局が整備している「政府統計の総合窓口(e-Stat)」は、日本の各種統計が閲覧できる「政府統計ポータルサイト」ですが、ここで、永住許可者数、さらには、国別の許可者数や、各地方出入国在留管理局別の許可者数などの数字が調べられます。
■今回は2019年~2023年までの永住許可者数をご紹介しますが、ちなみに、永住は現時点では2023年までの許可者数の公表までなのに対し、帰化は既に2024年(令和6年)の許可者数が公表されています。
■永住にとって、2019年という年は節目となった年であり、2019年5月末に「永住許可に関するガイドライン」の大きな改定がありました。
■そしてご承知の通り、その翌年に、コロナ禍・パンデミックに突入していった、ということになります。
■この「永住許可に関するガイドライン」の2019年5月末の改定は、おおまかに言うと、改定前までは、公的義務について、「納税義務等の公的義務を適正に履行していること」とされていたわけですが、この公的義務の中身が、改定によって、より具体化されて、審査基準が厳格化されたのです。
■改定の代表例としては、
①住民税の課税・納税証明書の提出期間の延長
「日本人の配偶者等」は、直近1年 → 直近3年
「就労系の在留資格」は、直近3年 → 直近5年
②住民税を適正な時期に納めていることを証明する資料(通帳の写し、領収証等)が必要
③直近2年間の公的年金の保険料の納付状況を証明する資料(ねんきん定期便、国民年金保険料領収書等)が必要
ということがあげられます。
2019年~2023年の永住許可者数の推移とその上位国の顔ぶれ
■では、2019年~2023年の永住許可者数の推移とその上位国の顔ぶれは、以下の通りとなります。ちなみに帰化許可者数とも並べてみました。

■永住と帰化では、許可者数が桁違いであり、あらためて永住は、毎年ほぼほぼ3万人以上の許可者数が出ている、ということに驚かされます。
■2019年の審査基準の厳格化後は、2020年に少しだけ許可者数が減少していますが、2021年には反転増加しており、しかもその頃はまだコロナ禍であり、結果的に厳格化の影響は、あまりなかったということのようです。
■審査基準の厳格化を受けて、申請者が要件を満たすための準備を徹底するようになって、それが許可者数の回復につながった、ということと思われます。
■許可者数上位国の顔ぶれを見ると、中国がダントツの1位であり、2位以下との開きがあまりに大きいことが分かります。永住許可者の約半数は中国人ということになっています。
■今回は直近2023年のトップ8の国の2019年からの推移を調べていますが、直近2位のブラジルから直近6位の台湾まで、この5年間で順位変動はあるものの、顔ぶれは不動です。
■ブラジル・ベトナムは増加傾向、フィリピン・韓国は減少傾向、台湾は横ばいといった推移状況です。
■ところで、なぜトップ8にしたのかというと、それは7位と8位のことに触れたかったからです。
■直近7位のネパールが明らかに増加傾向であり、不動のトップ6に2024年は食い込んでくるかもしれません。
■ネパールは帰化でも同じような動きをしており、帰化も毎年増加傾向で、2024年(令和6年)には3位にまで駆け上がっています。
■また、直近8位のアメリカですが、アメリカはこの5年間、7~8位と安定的に永住者が出ています。
■アメリカ人は、帰化のランキングでは上位に顔を出しませんが、しかし日本に長年住んでいて、日本の永住資格を取りたいというアメリカ人は、一定数、相当数、常にいるということが、この調査ではよく分かります。
■ちなみに、入管発表によると、永住の審査日数は、直近2025年3月で、290.7日となっていて、ほぼほぼ一年かかっているという状況であり、永住許可を目指す方は、とにかくガイドラインの要件をカチッと固めて、万全の状態で申請されることです。