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「原則として引き続き10年以上本邦に在留」の意味

出入国在留管理庁発表の「永住許可に関するガイドライン(直近・令和6年11月18日改訂)」の1-⑶-アでは、

・原則として引き続き10年以上本邦に在留していること。ただし、この期間のうち、就労資格(在留資格「技能実習」及び「特定技能1号」を除く。)又は居住資格をもって引き続き5年以上在留していることを要する。


と書かれています。

「引き続き10年」というのは、つまり日本からの出国について、注意が必要になってくるということです。

この「引き続き」には明確な基準というものはないわけですが、しかし、基本的一般的に言われているのは、
1回の出国で連続して90日以上
年間の出国合計が100~120日以上
の出国があると、永住の審査は非常に厳しくなってきます。
つまり、それだけの出国をしていれば「引き続き10年」の「引き続き」とは言えなくなる)

仮に、8年間も「引き続き」日本に居住していても、その後「母親の看病で100日連続して、自分の国に帰っていた」ということになると、これはもう、日本に戻ってきた時点からあらためて10年が必要、つまりそこで「引き続き」がリセットされる、ということになってしまう可能性が強くなってきます。


「引き続き10年」を中断する正当な理由

しかしながら、上記のような長期出国があったとしても、そのようなケースで、問答無用に「引き続き10年以上」がリセットされる、というわけではなく長期出国についての合理的な理由(「出国の理由」「帰国できなかった理由」)の説明が出来れば、永住申請が認められる場合もあります。

永住申請では「理由書」の提出が、一部の在留資格(「日本人の配偶者等」など)の方を除き、必要になってきますが、その「理由書」で、出入国在留管理局(入管)に納得してもらえる説明ができれば、リセットとはみなされず、「引き続き」の条件をクリアする場合もあります。

日本は2020年3月から2022年10月まで、新型コロナウイルス感染症に対する水際対策で、外国からの入国制限をしていたため、「帰国したくても帰国できない」という方も多くなり、1年以上日本に帰国できないという方もいました。

新型コロナウイルスが原因で日本に帰国できなかった場合には、そのことを証明する書類とともに「理由書」で、長期出国となってしまったことを説明することで、「引き続き10年」をリセットせず、永住申請が認められる場合もあります。

一方で、入国制限が解除されているにも関わらず、正当な理由なく帰国していなかった場合などは、新型コロナウイルスを原因として帰国できなかったとは認められない、ということになります。

しかし、例としては少ないかもしれませんが、入国制限が解除されてはいたものの、航空チケットの値段が高騰していて、それでなかなか帰国できなかったという人もいたかもしれません。

上記のようなケースでは、当時の航空チケットの値段がいくらだった、こんなに高かった、ということを証明することによって、「帰国できなかった」ということについて、正当な理由を認められることもあり得ます。


忘れてはいけない「引き続き5年以上」

入管の「永住許可に関するガイドライン」を読み込みと、「引き続き10年」には、「この期間のうち、就労資格又は居住資格をもって引き続き5年以上在留していることを要する」とあります。

これは要するに、
就労資格=「技術・人文知識・国際業務(技人国)」など
居住資格=「定住者」など
の在留資格で「引き続き(直近)5年以上」日本に居住していることが必要だ、ということを言っています。

この「引き続き5年以上」は「技人国」の更新時などは要注意であり、例えば、職務内容が合致していないとして、「技人国」の更新がもし不許可になったとしたら、これは厄介な話になってきます。

そういう方には、「特定活動(出国準備)」が付与されることとなり、ここで「5年以上」が一旦リセットされてしまうと考えられます。

「特定活動(出国準備)」の期間において、他の就労系の在留資格を取得できた場合は、出国せず引き続き日本に在留できることとなりますが、そこから再度5年以上の就労、居住期間が必要になってくると考えられます。


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