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日本国籍取得の原因
■日本国籍を取得する原因には、「出生」「届出」「帰化」の3つの原因があります。
■「帰化」は、国籍法第4条から第10条で定められています。
■他方で、国籍法第2条では「出生による日本国籍取得」、国籍法第3条で「認知された子の日本国籍取得」について、つまり「帰化」よりも前の条項で、定めています。
「出生」による日本国籍取得
■国籍法第2条では、
1 出生の時に父又は母が日本国民であるとき
2 出生前に死亡した父が死亡の時に日本国民であったとき
3 日本で生まれ、父母がともに不明のとき、又は無国籍のとき
に、出生により日本国籍を取得すると定められています。
■この「父又は母が日本国民(=国籍)」というのは、その表記の通り、2つのケースが考えられます。
■「外国人の父、日本人の母」の場合は、母親と子どもの血縁関係は明確ですから、子どもは母親の日本国籍を取得します。
■しかし「日本人の父、外国人の母」の場合となると、事情が違ってきます。
■国籍法第2条の「父又は母」とは、子の出生の時に、子と法律上の親子関係がある「父」又は「母」のことを言っています。
■そうは言っても、上記の通り、母と子の血縁関係は明確ですから、母と子の間では、法律上の親子関係という話にはなりません。
■一方で、父と子の間では血縁関係は明確とは言えないので、「日本人の父」の場合は、法律上の親子関係が問題になってきます。
■法律上の親子関係にない、つまり、婚姻をしていない「日本人の父と外国人の母」との間に生まれた子の場合であっても、母の胎内にいる間に、つまり出生前に日本人の父から認知(「胎児認知」という)されている場合は、出生によって日本国籍を取得するということになります。
■しかし、婚姻をしていない「日本人の父と外国人の母」との間に生まれた子の場合で、出生後に日本人の父が認知した場合には、出生の時に法律上の親子関係があったことにはならないので、出生によっては日本国籍を取得しません。
「認知」された子の日本国籍取得
■出生後の日本人父の認知ということになると、国籍法第3条の「届出」という話になってきます。
■出生後に、日本人の父から認知された場合については、一定の要件を満たしていれば、法務大臣へ届け出ることによって、日本国籍を取得することができます。
■一定の要件とは、以下の通りです。
⑴届出の時に、子が18歳未満であること。
⑵認知をした父が、子の出生の時に日本国民であること。
⑶認知をした父が届出の時に日本国民であること(認知をした父が死亡しているときは、その死亡の時に日本国民であったこと)。
⑷子が、日本国民であったことがないこと。
■本人が、自ら届出先に出向き、国籍取得の要件を備えていることを証明する書類を添付して、書面によって届け出ることが必要です。
■本人が15歳未満のときは、父母などの法定代理人が、届け出をします。
■本人が日本に住所を有する場合は、住所地を管轄する法務局又は地方法務局へ届け出をします。
■本人が海外に住所を有する場合は、日本の大使館又は領事館へ届け出をします。
■「届け出る」書面というのは、「国籍取得届」のことを指します。
■この「国籍取得届」に、国籍取得の要件を備えていることを証明する書類、つまり、認知に関わる証明書類を添付書類として、一緒に提出する必要があります。
■認知に関わる添付必要書類は以下の通りとなります。
(※法務省HPの「国籍Q&A」から抜粋・引用)
1 認知した父又は母の出生時からの戸籍及び除かれた戸籍の謄本又は全部事項証明書
2 国籍の取得をしようとする者の出生を証する書面
3 認知に至った経緯等を記載した父母の申述書
4 母が国籍の取得をしようとする者を懐胎した時期に係る父母の渡航履歴を証する書面
5 その他親子関係を認めるに足りる資料
(なお、やむを得ない理由により3及び4の書類を添付することができないときは、その理由を記載した書類を提出する必要があります。また、認知の裁判が確定しているときは、3から5までの書類を添付する必要はありません。)