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帰化の厳格化は一気に進みだすのか

R8年2月8日(日)の衆議院総選挙は、自民党の歴史的圧勝という結果に終わって、それ以前から自民党が掲げてきた外国人政策が、今後一気に進みだすのは言うまでもない状況となりました。

(自民党のHPより抜粋)

自民党のHPには、選挙直前のR8年1月31日にこのような「お知らせ」が掲載されていて、このイラスト図にはっきりと「10年以上在留」が書かれており、そして後に(下に)、イラストの説明書きみたいな文章が出てくるのですが、その中で、

「日本への帰化要件としては、原則としてすでに10年以上日本に在留していることと日本社会に融和していることが求められ、審査を厳格化します。」

と、「厳格化を検討します」ではなく、「厳格化します」と言い切りで書かれています。

選挙の結果を考えれば、おそらく「帰化の厳格化」は待ったなしの状況で、国籍法の「5年以上」を改正せずに、運用変更で「原則10年以上」に切り替えるということが、現実的になってきたと思われます。

そもそも、実は、「厳格化」の運用変更は、近年、徐々に進んでいました。アフターコロナ以降、2022年以降、今では、要件として浸透している、

・在留資格の在留期間3年以上
・年収300万円以上(最近350万円以上に引き上がった模様)、5人以上の世帯だと、1人につき60万円~70万円プラス
・年金要件に加え、健康保険料も見られるようになった
・交通違反は直近2年で3回はアウト

といったような「厳格化」は、「国籍法」にも書いていなければ、帰化には永住のように「ガイドライン」というものも存在せず、まさに運用変更という形で、行われてきたわけです。

ですので、今回の居住要件「5年以上」→「原則10年以上」を運用変更で実施しようというのも、驚くような話ではありません。



帰化の厳格化後、どういった人が帰化を勝ち取れるのか


さて、「原則10年以上」となった後、「10年未満」の人は、誰もが帰化できなくなるのかというと、そういうわけでもありません。これは、あくまでも「原則」であり、「原則10年以上」ということなわけです。

ですので、「5年以上10年未満」のゾーンの人でも、帰化申請を突破できる可能性はもちろんあるということなのですが、限界ラインについて、考えを示します(私見)。

論点を整理すると、以下のようになるかと思います。

就労・収入が一直線、安定
→転職なし、せめて1回(同一業界)
→年収が1年目から安定的に推移、あるいは自然に増加(凸凹しない)、直近だけ急増はマイナス評価
→収入が安定していても、勤務先が中小零細企業で、直近赤字で、倒産リスクがある場合はマイナス評価

「10年未満の人」の場合、就労・収入については、これくらい厳しいハードルになるものと思われます。これまで以上に、過去の安定に加え、その後の安定について、より厳しく見られることでしょう。

「同一業界」という上記の条件は、これは「中小零細企業・倒産リスク」に関係します。

帰化はあくまでも個人の審査です。
「中小零細企業・倒産リスク」はマイナス評価と考えられますが、「同一業界」で転職の人は、個人としての市場価値が上がります。

もし会社が倒産しても、すぐに次の会社が見つけられる人だ、だから収入は安定し続ける、という判断にもなってくるかと思います。

税・年金・健康保険が完璧

→期限後納付がない
→免除(猶予)・未納がない
→転職時の厚生年金→国民年金→厚生年金の切り替えに空白がない

「10年未満」で帰化申請するなら、税・年金・健康保険については、これくらいのハードルは乗り越える必要があるかと思います。

これまで、期限後納付、つまり「遅れて払った」は、帰化申請ではそれほど厳しく見られず、「払いきっている」ことが重要だったのですが、おそらく、今後、「10年未満の人」は、期限後納付のチェックは厳しくなるかと思います。

また、いわゆる「免除(猶予)」については10年以内のものは、帰化申請前に追納手続き終えてしまうことが重要かと思います(そうした方が良い)。そもそも適法に免除(猶予)を受けているわけですから、追納手続きをすれば、問題にならないものと思います。

単なる未納は、ちょっと厳しいかもしれません。時効前で払える2年分を払いきって、ダメ元で申請してみるといった感じかと思います。

なお、交通違反については、「10年未満」の人は、ゼロでないとダメ、いうような極端なことはないかと思います。軽微な1~2回の違反で、即アウトということはないと思います。

法務局の審査官の心理状態を考えても、今回の「原則10年以上」への運用変更が実施された場合、「10年未満」の人を、あえてOKとして、上に、つまり法務省に申請を上げる場合、相当なプレッシャーがかかることは、容易に想像ができますので、そのような観点でも、「10年未満」の人は、上記のように審査が厳しくなるものと考えられます。

「10年以上」の人の帰化審査も、今後、その中身は今まで以上に厳しくなるものと思いますので、不安な点がある方は、行政書士などの専門家にご相談されることをお勧めいたします。

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