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「住民票の除票」とは
■「住民票の除票」とは、他の市区町村や国外へ転出したり、あるいは死亡したことにより、住民基本台帳から消除された「住民票」のことです。システム変更などによる改製前の「住民票」も「住民票の除票」にあたります。
■「住民票の除票」には、「住民票」に記載されている事項(氏名、生年月日、住所等)の他に、転出の場合は転出先住所と異動年月日、死亡の場合は死亡年月日が記載されています。
■例えば、
東京都品川区~ → 神奈川県横浜市~ → 東京都大田区~
と引っ越しをした場合(現在、「東京都大田区~」に住んでいる)を考えてみましょう。
■この「住所の履歴」をたどるには、まず「東京都大田区~」の「住民票」を取ります。そうすると、この「住民票」には「東京都大田区~」の住所に加え、どこから「東京都大田区~」に転入してきたのかも記載されています。つまり「東京都大田区~」の前の住所である「神奈川県横浜市~」も転入元として記載されています。
■次に「神奈川県横浜市~」の「住民票の除票」を取ります。「神奈川県横浜市~」は既に転出しているわけですから「住民票」は取れず、「住民票の除票」を取ることになります。この「住民票の除票」には「神奈川県横浜市~」の住所に加え、その前の住所である「東京都品川区~」が転入元として記載されているということになるわけです。
「住民票の除票」が取れない期間(時期)がある
■「住民票の除票」が、実は取れない期間(時期)があることはご存知でしょうか。
■帰化許可申請書類の中の一つ、履歴書(その1)には、「住所の履歴」を、一つ、一つ、全て書かなければなりません。
■帰化申請では、「居住歴を証する書面」としては、過去5年分の住民票が必要とされていますが、一方で、履歴書(その1)には、全ての「住所の履歴」を書くことが求められるのです。
■日本に5年以上居住している外国人の方は、5年以上前の時期に、引っ越しをしていれば、5年以上前の「住民票の除票」も、さかのぼって取って調べないと、「住所の履歴」は、正確には書けない可能性があります。
■一方、「住民票の除票」は、平成24年(2012年)7月9日までしか、さかのぼれません。それ以前の住所は、「外国人登録原票」で確認することになります。
■本題はここからですが、実は「外国人登録原票」の制度が終わった直後の一定期間、「住民票の除票」が取れない期間(時期)があります。
平成24年(2012年)7月9日 ~ 平成26年(2014年)6月19日 まで
この約2年の間に、引っ越しをした人は、その時の「住民票の除票」が、実は取れないのです(役所によって例外はあるかもしれません)。というのも、「住民票の除票」にはそもそも保存期間があるからです。
■令和元年(2019年)6月20日から、住民票の除票の保存期間は150年になったのですが、それまでは、保存期間は5年でした。
■つまり、令和元年(2019年)6月19日以前に5年経過となる「住民票の除票」、すなわち、平成26年(2014年)6月19日以前の「住民票の除票」は、5年経過で廃棄されてしまっている、ということなのです。
■ちょっと、話としてはややこしいかもしれませんが、とにかく、平成26年(2014年)6月19日以前の住民票の除票は取れない、ということで、これは日本人でも外国人でも同じということになります。
■「外国人登録原票」が廃止された翌日の、
平成24年(2012年)7月9日 ~ 平成26年(2014年)6月19日 まで
の間は、いわば「空白の期間」ということで、この約2年間における、引っ越し等による「住所の履歴」を証明する書類は、外国人の方には存在しない、ということなるのです。
■日本人であれば「戸籍の附票」に、「住所の履歴」が全部書かれていますが、外国人の方は戸籍がないわけですから、本当に何もないということになってしまいます。
■この約2年の間に、例えば2回引っ越ししたけど、
「その当時の住所、忘れちゃったなあ・・・」
「その当時の在留カードも無くしちゃったしなあ・・・」
「運転免許証も持ってないしなあ・・・」
というような人は、困ってしまうわけです。
「住民票の除票」が取れない時の対処法
■ただしですね、そういう人も、実は心配はいりません。
■履歴書(その1)に、例えば、
「神奈川県横浜市鶴見区、以下不詳(ふしょう)」
「東京都江戸川区、以下不詳」
と書けば、問題は実はありません。
「東京都、以下不詳」でも、多分大丈夫かと思います。
(ちなみに「以下不詳」というのは、分からないという意味です。)
■法定の、つまり過去5年の住所が重要なのであり、法務局も、それ以前のことは厳しく言ってくることはないようです。