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居住要件と出国期間

別の投稿において、永住申請における出国期間の話として「コロナ特例」のご説明をしておりますが、「コロナ特例」といっても、コロナの事情で日本に戻ってこられなかったということを、説明・立証して、入管の納得を得なければならないということであり、これはかなり厄介なものです。

今回は、コロナがどうのこうのということでなく、帰化申請おいて、出国期間はどう扱われるんだ、というお話です。

帰化を考えておられる外国人の方なら、皆さん、知っての通り、帰化には居住要件
「引き続き5年以上日本に住所を有すること」
があるわけですが、この「引き続き」とみなされない状態として、

一度の海外渡航で3ヵ月以上出国
●途切れ途切れでも、1年間において通算で100日以上出国している

そんなケースは、「引き続き」とは言えず、そこで「引き続き」はリセットされてしまう、と一般に言われています。

但し、国籍法にそんなことが具体的に書かれてあるわけでもなく、あくまでも法務局の審査の運用という話です。


出国日数の上限超過

出国日数の上限を超えていても許可になる可能性があるのかどうか?

まず、さすがに、連続でも、途切れ途切れでも、その出国日数が、年間150日を超えているとしたら、それは「引き続き」日本に居住しているとは言えない、ほぼアウトと考えざるを得ないと思います。

永住申請の「コロナ特例」の場合は、最長で6ヵ月・180日くらいまでは、「コロナ事情」の説明がきっちりとできれば、「引き続き」、を認めてくれることもある(あった)ようです。

しかし「コロナ事情」でなければ、150日以上は「さすがに長すぎでしょ、日本を出国して何をしていたの?」ということになってくるわけであり、というか、基本はやはり、上限は90日~100日です。

では、この90日~100日、長くて150日未満、といった出国期間がある人は、帰化申請をあきらめざるを得ないのか。

まずは正確に、自分の過去5年の出国期間を把握することが重要です。

5年間に1回しか出国していない、しかしそれが100日を超えてしまっているという人は、出国の事実としては分かりやすい。

一方で、出張、観光等で、1度の出国は1~2週間くらいだが、頻繁に日本を出国している、そういう人は、パスポートの出国、入国のスタンプもいっぱい押してあって、後から見ても分かりづらいということで、そもそも出国日数を正確に把握できないという人もいるのではないでしょうか。

帰化申請書類は、出入国歴を正確に書かなければならず、これが間違っていると、帰化申請書類として形をなしていないということになってしまいます。


「出入国記録」の入手、上申書での説明

出国(回数)の多い方は、東京の四谷にある「出入国在留管理庁総務課出入国情報開示係」、通称「FRESC・外国人在留支援センター」に、「出入国記録」の開示請求を行って、「出入国記録」を入手すべきかと思います。

こうして、まず出国期間の事実認定を自分できっちり行うこと、その上で、90日超え、100日超えといった事実があれば、なぜそれだけ日本を離れなければならなかったのか、ということついて、帰化申請の際に追加での説明、いわゆる「上申書」によって、納得感のある説明をするより他ありません。

例えばですが、

・会社で1~2週間の海外出張が非常に多くて、それらの数を足したら90日を超えてしまっていた。
・自分は会社経営者で、自分のその出張が会社にとって非常に重要なミッションであったため、1回の出張が100日を超えてしまった。
・親の看病で帰国したが、思いのほか親の病状が悪く、付き添っている時間が長期化してしまい、結果、親が亡くなり日本に戻ってきたが100日を超えてしまった。

このような理由の場合、切々と上申書で説明をすれば、法務局の審査官も納得してくれる可能性が相応にあるのではないでしょうか。

いずれにせよ、出国期間が90日~100日を超える場合、自分一人で悩まずに、行政書士などの専門官にご相談されてみるとよろしいかと思います。

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