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(この記事は最新情報である)
帰化許可申請書類の中の履歴書(その1)
■帰化許可申請書類に中に、履歴書(その1)があります。
■この書類には、出生から現在まで、「住所の履歴」「学校の履歴」「仕事(会社)」の履歴を、一つ、一つ、書いていかなければなりません。結構、大変な作業になります。
■東京法務局のHPで公開されている履歴書(その1)は、こういうものです。

■帰化の重要な居住要件である、「5年以上の居住」。法務省が発表している「帰化許可申請のてびき」では、「居住歴を証する書面」として、「法定の住所期間内の居住歴が記載された住民票の写しを提出してください。」 と書かれています。
■「法定の住所期間」というのは、つまりは5年ということです。
■一方で、前記の通り、履歴書(その1)には、出生から現在までの全ての「住所の履歴」を書くわけです。
■日本に5年以上、長年居住している外国人の方は、5年以上前の「住所の履歴」は、覚えていたら、その通り書けばいいですが、帰化申請書類は当然ながら正確に書かなければなりませんから、5年以上前の住所を、記憶間違いで書いてしまうと、これはまずい、ということになってしまいます。
■そうすると結局のところ、事実上、5年以上前についても、さらに住民票の除票をさかのぼって取って、確認する必要があるということに、大抵の場合なってきます。
住民票の除票でさかのぼる限界
■2005年から日本に居住している、在留資格:永住者の外国人の方が帰化申請するとしましょう。しかし、住民票の除票は、実は、2012年7月9日までしか、さかのぼれません。
■日本居住の外国人は、2012年7月9日に「外国人登録法」が廃止されるまでは、日本人と同じようには住民登録はされていませんでした。
■外国人住民は、外国人登録法に基づき「外国人登録原票」に住所が記載され、日本人住民とは異なる制度で登録されていました。
■よって2012年7月8日以前は、外国人の住民票は存在しません。
■では、2012年7月8日以前の「住所の履歴」を正確に把握するにはどうしたらよいのか。
■この場合、出入国在留管理庁(入管)に保管されている、「外国人登録原票」の写しを、入管から取り寄せる、ということになります。この「外国人登録原票」を見れば、2012年7月8日以前の「住所の履歴」が分かるということなります。
■入管のHPに「外国人登録原票」のイメージサンプルが掲載されています。

■この「外国人登録原票」の取得は、東京の四谷にある入管の総務課出入国情報開示係に直接行って、写しの窓口交付請求をするか、あるいは、写しの郵送による取り寄せをするという方法もあります。
■しかし、この「外国人登録原票」の写しの交付までには、現状、1ヵ月~1ヵ月半程度かかっています。つまり、四谷の窓口に直接行っても、すぐには交付されません。
■この「外国人登録原票」は代理人でも取得できます。代理人は委任者の委任状、交付請求書(正確には「保有個人情報開示請求書」)と、これらに写しを郵送してもらうレターパックライトも持参して、「外国人登録原票」の交付請求を行うことになります(手数料として収入印紙300円が必要になります)。
■この「外国人登録原票」の写しを取る場合は、帰化申請に使うなら、帰化申請の予約日の少なくとも3ヵ月前には、交付請求しておいた方がよいと思います。