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永住許可申請の基本と夫婦同時申請の可否
■永住許可申請では、原則として、申請者は、引き続き10年以上日本に住んでいること、そして、申請者の現在の在留資格が3年または5年の有効期間で許可されていることが必要になります。
■一方で、夫婦で永住申請したいというケースで、夫は10年の居住要件を満たしているのだけど、妻の方は、家族滞在ビザで夫よりも遅れて日本にやってきているため、日本の居住期間が8年とか6年とかで、10年に満たないというケースが、よくあるかと思います。
■このようなケースで、まずは夫の方しか永住許可申請できないということになるのでしょうか。
■答えとしては、夫婦二人ともが、居住10年以上の要件を満たしている必要は、実はありません。
■申請人である夫、つまり扶養者が要件を満たしていれば、他方の配偶者、妻の要件が緩和されて、一定の要件を満たせば、一緒に永住許可申請することができます。
「永住者の配偶者」の特例要件
■出入国在留管理庁発表の「永住許可に関するガイドライン」によると、「永住者の配偶者」には、「実体を伴った婚姻生活が3年以上継続し、かつ、引き続き1年以上本邦(日本)に在留していること」という居住要件の緩和、つまり特例要件があります。
■ここでいう「実体を伴った婚姻かどうか」というのは、同居・扶養の事実等、総合的に判断され、偽装婚でないかを確認されるということですが、これはもう、当然のことです。
■あくまでもそういう前提のもとで、つまり本当の夫婦だという前提のもとで、仮に夫10年居住、妻8年居住であっても、夫婦同時での永住許可申請は可能ということになるのです。
■これはなぜかというと、夫、つまりメインの申請人に永住許可がおりた場合、妻、つまり配偶者は、その時点で「永住者の配偶者」となり、特例要件が適用される、というふうに考えられるからです。
■特例要件とは、上記にてご説明した「実体を伴った婚姻生活が3年以上継続し,かつ,引き続き1年以上本邦(日本)に在留している」ということですが、妻の方が8年とか6年とかの居住なら、夫が永住許可されたその時点で、理屈の上では、一気にこの要件を満たすということになるので、同時申請が可能ということになるわけです。
■一方で、当然ながら、夫の永住許可申請が許可されなければ、妻の永住許可申請も許可されないということになるわけです。
■なお、「1年以上、本邦(日本)に在留している」かどうかという点では、以下の点に注意が必要です。
■連続して約90日、または年間合計で約100日~120日程度、外国にいるとなると、この「引き続き日本に在留している」とはいえなくなる可能性があって、永住審査にマイナス要素となり得るということになってきます。
■また、夫婦同時申請では以下のようなケースに注意が必要です。
・配偶者(妻)が家族滞在ビザで、資格外活動許可範囲の時間(週28時間)を超えたパートの就労がある
・配偶者(妻)に違反や処分歴がある
配偶者(妻)がこのようなケースに該当する場合は、本体(夫)の永住審査にマイナス影響が出てしまいます。