目次
(この記事は最新情報である)
育児休業制度について
🔳「育児休業制度」は、育児・介護休業法に定められています。
🔳原則として1歳に満たない子を養育する、男女の労働者が対象であり、つまり、原則(子どもの出生から)1年間、パパもママも「育児休業」ができるというものです。
🔳そしてもちろんのこと、日本で生活し働く外国人のパパ、ママも「育児休業」することができます。
育児休業給付金について
🔳労働者が、原則1歳未満の子を養育するための「育児休業」を行う場合に、「育児休業給付金」が支給されます。
🔳「育児休業給付金」は、支給日数の合計が180日までは、休業開始時の賃金の67%相当額、それ以降は50%相当額、が支給されるというものです。
🔳上記の支給相当額を見ると、「育児休業給付金」は、「育児休業」前の給与収入に比べ、かなりガクン収入額が減るにように見えます。
🔳しかし実際のところ、「育児休業給付金」は「育児休業」前の手取り賃金と比較した場合、その概ね8割程度が支給されることになります。
🔳なぜその程度の減少で収まるかというと、
・育児休業給付金は非課税(所得税)であること
・育児休業期間中は、給与がストップすることから、社会保険料(厚生年金保険料、健康保険料)が免除(※)されること
といった理由から、手取り額としては、8割程度の額になるのです。
※社会保険料は、事業主が年金事務所に申し出ることにより被保険者(労働者)・事業主の両方において免除となります。
育児休業中の帰化申請の問題点
🔳育児休業期間中の帰化申請は、「収入」、「税金」、「社会保険料」において、帰化の要件たる「生計要件」、「素行要件」の充足に影響が出る可能性があります。
🔳「収入」は上記の通り、激減ではないものの、育児休業給付金では収入が減少することに変わりはなありません。
🔳また結局、育児休業期間中は、上記の通り所得税を納めず(住民税は普通徴収で納めることになります)、また社会保険料(厚生年金保険料、健康緒保険料)を支払わず、という状態に必然的になってしまうため、その状態だけをとってみれば、
帰化の素行要件として重要な、
・納税義務をを果たしていること
・年金に加入していて、きちんと納付していること
の履行が不十分と言わざるを得ないということになってしまします。
育児休業中の帰化申請は可能なのか
🔳まず、育児休業中の帰化申請は可能です(もちろんケースバイケースということはあります)。
🔳育児休業中の帰化申請で、最低限、押さえたいことは、
・「育児休業」前の給与収入が帰化の収入要件を満たしていること
・「育児休業」後の給与収入が、「育児休業」前の給与収入の水準に戻ること
と考えられます。
🔳「育児休業」前において、給与収入が帰化の生計要件を満たすような額でなければ、そもそも帰化は難しくなります。
🔳また「育児休業」前において、給与収入が帰化の生計要件を満たすような額であっても、「育児休業」後において、給与収入が「育児休業」前よりも下がってしまう、あるいは下がってしまう可能性があるのなら、やはり帰化は難しくなります。
🔳ちなみに、育児休業の取得を理由として、事業主が労働者に不利益な扱い、つまりは、職場復帰後の減給等をすることは、育児・介護休業法(第十条)で禁止されています。
🔳「収入」が「育児休業」後に「育児休業」前の水準に戻ること、「税金(所得税)」、「社会保険料(年金保険料、健康保険料)」の支払が帰化申請の直近1年以内において行われていないことについては、「法の趣旨」をきちんと理解した上で、それを法務局側に説明すれば、法務局の担当者も理解を示してくれるはずです。
🔳そうは言っても「育児休業中」の帰化申請は極めて難易度が高いため、行政書士などの専門家に、申請サポートを依頼することをお勧めいたします。